絶叫委員会 / 穂村弘
「人間には世界そのものを生きるってことは不可能で、ひとりひとりの世界像を生きているに過ぎないってことを改めて感じる。世界が歪むと云いつつ、実際に歪むのは世界像であって、世界そのものは微動だにしていないのだ。
もしそうなら、世界を動かす言葉など存在しないことになる。あるのは世界像を動かす言葉だけ。でも、それによって、ひとは真剣に驚いたり喜んだり悩んだりする。」
意表をつく言葉たちの標本。
どれもこれもキラキラと輝くことばたち、何度よんでも色あせない。
悪役レスラーが母親に答えたセリフが好きだなぁ。
「リングの上の怖ろしいお前と、私の知っている優しいお前と、どっちが本当のお前なの?」
「どちらも本当の私ではない」
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