2010-08-20

「悪」と戦う / 高橋源一郎

NECK「あたしはパパもママも見てない、パパもママもあたしを見てない、あたし、見てもらいたかった、それから、見たかったよ、世界を、ずっとずっと世界を見たかったんだもの、あたしが見られないなら、あたしじゃない誰かに見てもらいたいんだ

うそだ!自分が見られないのに、他人が見られるなんて、不公平じゃん!」

2010-08-06

NECK / 舞城王太郎

NECK
首に関する小説と戯曲が4本。
スピード感があって面白い。

2010-06-03

ダーティ・ワーク / 絲山秋子

ダーティ・ワーク
7つの短編がからみあって、浮かんでは消える物語。
ぼくたちは間違いながら少しずつ幸せに近づいていく。

「 いつか、子供と、ここで、雪のなかで、かくれんぼをしたらいい。
 そう思いつきました。
 子供が転んで、泣き出しそうになったら、私が走っていって――そう思おうとして、TTのイメージが私を追い越しました。TTが子供を、顔も性別も定かではないぼんやりした子供の像を抱き上げる瞬間が浮かびました。
 だって、子供の半分はTTなんだもの。
 私の遺伝子とTTの遺伝子が抱き合っているんだ。」

2010-05-13

ミステリアスセッティング / 阿倍和重

ミステリアスセッティング
吟遊詩人を夢見るシオリの受難と受難、そして受難。。。

2010-04-22

Self-Reference ENGINE / 円城塔

Self-Reference ENGINE連作短編(断片?)集

イベントと呼ばれる現象によって時空が崩壊し、すべての可能性が同時に存在する何でもありの世界。

「自分たちは滅ぶ宇宙がその最後に、次に生まれる宇宙のため、時空のあちら側に種を投げ込んだ者であり、あらかじめ亡霊として生まれた亡霊なのだ」

はじまりも終わりもあるはずだけど、目に触れるものは途中の断片ばかり。その断片すら無限にあって、、、それって無いのとおなじ?
いや、その断片のひとつでも、あなたの目に触れるならば、その時(どの時?)その断片は(どの断片?)確実に存在しているのだろう。

「例えば私はここに存在していないのだけれど、自分があなたに見られていることを知っている。」

2010-04-07

ママはテンパリスト 3 / 東村アキコ

ママはテンパリスト 3
「ぷっくり だんごむし
 しんでるわァ~~~」

2010-03-29

海月姫 4 / 東村アキコ

海月姫 4
アニメ化が決定した海月姫の第4巻。
個人的には実写でやってほしい。。。

まんが極道 4 / 唐沢なをき

まんが極道 4
今回も業の深いひとびとを淡々と描ききっています。
もう誰も止められない、止まらない。。。

2010-03-19

猫の水につかるカエル / 川崎徹

猫の水につかるカエル「ある現象に出会った時、直ちにそれを意味に置き換え分析したり、情緒に引き寄せて解釈することは極めて稀で、現象をまるごと、何の解釈も加えずに受けとろうとする傾向が強い。」(傘と長靴)


そんな著者が、父の死から自分の死までを見つめる小説2編。

「 棺の中の人は父である。
 父と思い、そう呼んできた人である。だが、いまも父であるかと言えば疑わしかった。父の残滓だった。まして捕われの人のように両手首を縛りあげられた姿は、父ではない、わたしの知らない人に見えた。同時に、これが父の本当の姿であるようにも思った。そして、その姿を自分に置き換えるのは容易なことだった。」(傘と長靴)


「 生命体としての自分が消滅することは、仕方のないこととしてなんとか承知できそうだ。時間がかかるにしても、受け入れることができるだろう。
 だがどう考えても断ち切り難いのが、現在のわたしが切り結んでいる家族、友人、猫たちとの関係だった。網の目状に張り巡らされたそれら諸々の関係によってわたしは生かされていた。わたしという実体はなく、関係こそが、関係の総体がわたしだった。わたしにはひとりで生き、ひとりで死ぬ力はなかった。諸々の関係抜きに、わたしは存在し得ないのだ。」(猫の水につかるカエル)

2010-03-09

ひまわりっ 13 / 東村アキ子

ひまわりっ 13
とうとう完結してしまいました。。。
ひさしぶりに健一1号が登場ですわ~

メリークリスマス・・・