2009-10-08

蛇|愛の陰画 / 倉橋由美子

蛇|愛の陰画前半の短編はどうということはなかったんですが、後半の短編はすごいと思います。。。
とくに「蠍たち」と「宇宙人」。

「ぼくとLのあいだにはにせの肉で包まれた虚無が横たわっていた。いわばこれがぼくたちの宇宙だった。それはヘルマフロディトの、完全な人間の形をしており、ぼくたちの渇望は、二人でそのなかにはいって完全な存在になることだったはずだ。」(宇宙人)

六〇〇〇度の愛 / 鹿島田真希

六〇〇〇度の愛主人公の女とロシア人の血を引く青年の会話の掛け合いがいい。

「気づいた時にはなにもかもが屍だった。あらゆることの意味全てがさいころの目のように決まる。無造作に投げられたさいころ。その目をみんなが、あらゆる出来事が、無抵抗に受け入れられる。それは・・・そう! やはり屍としかいいようがないわ。なんてしらけた世界なんでしょう。私は黙示録を見ているわ。世界は白いのね。偶然によって染まるように白くできているのね。ねえ、あなたも知っているでしょう? 私とそっくりのあなたもそのことに気づいているのでしょう?」

「ねえ、あなたも知っているでしょう? 世界はとっくに終わってしまっていたのよ。」

2009-08-26

ひまわりっ (11) / 東村アキコ

ひまわりっ (11)
野生の王国・・・いい感じ

2009-08-20

もののはずみ / 堀江敏幸

もののはずみ自然体で好感触なエッセイ集。

「「もの」に出会って自分の生活に引き入れたら、あとはそれを育てる。「もの」たちの「はずみ」は、いわば必需品と不用品のあいだにあって、なお存在を否定されないようなところから飛び出してくるのだ。そのときはじめて、「もの」を所有するのでなく、「もの」のある空間に自分を生かすことができるだろう。」

スミヤキストQの冒険 / 倉橋由美子

スミヤキストQの冒険かなりグロテスクな世界観。冒険というよりはほとんどもてあそばれるだけなんですが、それでもケロッと革命を起こそうと奮闘する主人公Qを徹底的に皮肉ってます。

それにしてもグロテスクな文章表現が肉のように豊かで知らぬうちにモリモリ食べてしまっている状態です。。。

帽子男 / 上野顕太郎

帽子男
くだらなさ過ぎて笑っちゃう。

2009-07-07

道子のほざき / 一條裕子

道子のほざき
麻雀用語を勝手な解釈で、失業中の父に話して聞かせ、反応を面白がってしまう道子。。。

2009-06-19

ママはテンパリスト 2 / 東村アキコ

ママはテンパリスト 2
今回もごっちゃんが大あばれですわ。

57577 - Go city,go city,city! / 枡野浩一

57577短歌が4コマになってます。

いちぬけた君を時々思いだすためだけにでもこちらにいよう
街じゅうが朝なのだった 店を出てこれから眠る僕ら以外は

ぽんこつ喜劇 / 浅暮三文

ぽんこつ喜劇
試みとしては面白いと思うんですが、ちょっとイマイチな出来かな?